UOSの歴史

直近の2013年から現在(2022年9月)までを筆者の視点で振り返ります。
合わせてこのサイトの年表のコーナーや、1981年から2011年は30周年記念誌も参照ください。


ITの直近10年

この10年で私たちのIT業界は大きな転換期を迎えました。
GAFAMの黒船が到来し、今まで脈々と築いてきた業界での優位性を破壊する”ハイパーコンペティション”が日本企業を浸食してきました。
2018年に経産省から公表された「DXレポート」により国家戦略としてユーザーと共にUOSの各会員企業も大きな変革を求められることとなりました。
DXの目的は、不確実性が高まる社会において、企業の存在意義/Purposeを貫くことであり、激変するビジネス環境に俊敏に対応するためにあらゆる企業がデジタルを前提としてビジネスモデルを再構築することで競争優位性を創造することを急ぎます。
DXレポートに先駆けて、UOSは2015年よりDevOps推進協議会の設立に関わり、クラウドを前提とした、リーン開発、アジャイル、DevOps、マイクロサービスへの取り組みを開始しました。
IBM社のレッドハット社の大型買収によって、私たちもOpenshiftによるコンテナテクノロジーを活用したシステム開発へ徐々にシフトしていきます。
私たちはIBM Power Virtual Serverのサービスがリリースされ、これまでのオンプレミスのみのIBMiのプラットフォームからハイブリッドクラウド環境でのアプリケーション開発へも乗り出すこととなりました。
そして、直近のIBM社とKindryl社の分社化によって、今後のUOSの在り方も市場のデマンドに合わせて適正に変化していくこととなります。
40年間のUOSの成長は、まさに変化に俊敏に対応してきたDNAの賜物だと思います。
これからもUOSは常にテクノロジーをリードする技術者集団でありたいと願っています。
(前理事長、現監事 武藤 元美)

UOSの直近10年

この10年を振り返ってみると、前半は会員数拡大、後半は会員数増による運営の見直しにも時間を割きました。

また、これまでに新たに発足した九州支部、北海道支部、活動を開始した社会貢献などボランティア活動が定着、発展した期間でもありました。
会員数の増加について見れば、2012年に257会員だった2016年に300社を超える結果となり、これはひとえに武藤元理事長の功績でした。

運営の見直しの観点で見れば、まだ道半ばですが会計処理の考え方や統一ツールの導入、会員定義の議論や会則の改定、個人情報保護に関する規定の作成、SES協業の試行錯誤、各支部のフェアなど、運営に関するいくつかの議論、見直しに時間を費やしました。

また、外的要因の観点では、2018年のコンファレンス当日の北海道胆振東部地震、2020年現在に続くCOVID-19(新型コロナ)に翻弄され大きな影響を受け全ての活動の大きな試練となりました。
印象に残るのは、年一度のUOSコンファレンス当日朝に発生した北海道胆振東部地震で、ブラックアウトした札幌で、おにぎりの炊き出しやロウソク会食(臨時休業している飲食店と北海道支部のご協力をいただいた)を始めとした数々の北海道支部のホスピタリティで、改めてUOSの結束力と緊急事態の対応能力を再認識させられました。

2年以上ににわたり今日現在新型コロナに怯える状況においては、各支部はオンラインのミーティングをサポートするツール(ZOOM, WebEX, Skype等)の利用を習熟し、制限をうけながらも活動を継続することができました。また、宅配サービスを利用したオンライン懇親会なども開催され、ITの力を利用者側として図らずも自ら体験することになりました。

直近の10年でUOSが変わらないこと変わったこと

変わらないこと

よく言われる代表的なUOSの信条に
「競業の中に協業あり」
「緩やかな結束」
が挙げられますが、この2点はまったく変わっていないと感じています。

また、後でも触れますが20周年の2002年に採択された
「UOSアピール」
についても同様で、改めて読み直してみるとその内容にSDGs通じる先見性に改めて気付かされます。

変わったこと

支部が増え会員が増えたことで、今まで阿吽の呼吸で出来たことの幾つかを再整理し新たなルールやガイドラインを作成しました。しかし、「緩やかな結束」に注意を払ったことは言うまでもありません。
次に、face to faceの重要性の認識を挙げることができます。
オンラインでいろいろなことができるようになってから、「新型コロナがおさまって後もオンラインで良いのではないか?」、「リアルな開催にどんな味・意義があるのか?」というのは少なからず共通の疑問でした。
しかし、2年近いオンライン運用のなかで気付いたことは、「要件の議論には支障ないが、信頼関係の醸成は、オンラインでは難しい」ということでした。

この信頼関係は、時として「要件の議論」にも影響を及ぼすことを目の当たりにしました。
フェースtoフェースの集まりは、この信頼関係の醸成に大きな役割を果たしていると考えるのは、筆者だけではないと考えています。その中で懇親会が大きな役割を果たしていることは言うまでもありません。